「1/4の奇跡」左側の君に【完】
1学期の終業式の帰り、
ショッピングモールのフードコートで、
花音のことをジロジロと見ている他校の男たちが目についた。
・・・なんかムカつくな・・・
ちょっと下から覗くような仕草をした男もいて、
短い制服のスカートの花音を、
このままここにいさせるのは、俺は嫌だった。
花音の手を引っ張って帰ろうとした。
エスカレーターに乗るたびに気になる短いスカート。
そんなちっちぇーことで、イライラしている自分に、
さらにイライラした。
電車に乗って、
花音の前に立つと、
ブラウスのボタンを外しすぎなんじゃねー?と、
また、イラっとした。
開いたブラウスの中に、星時計の革紐が見えた。
「拓人?」と上目遣いで見つめられて、
にやけてしまいそうな自分を抑えて、外を見た。
これだけで俺、何喜んでんだ・・・