「1/4の奇跡」左側の君に【完】
俺の部屋に初めて来た花音。
大学のことを話そうと思って、
何気なくベッドに腰掛けたら、
隣に花音も座ってきた。
花音の甘い香水の匂いがしてきて、
ちょっと理性がぶっ飛びそうだった。
短いスカートから細くて白い脚が見えて、
俺はそれを隠すように、
花音の膝の上に大学のパンフレッドを置いた。
「遠いね・・・ここ」
さみしそうな顔で見つめてきた。
確かにこの大学は遠かった。
でも、耳のこと、やりたいこと、俺の学力を考えると、
もう、ここしか考えられなかった。
親も、合格したら一人暮らしをしてもいいと言ってくれた。
「拓人一緒にがんばろう・・・」
ちょっとさみしそうに言った花音を、
抱きしめたくなる気持ちをぐっとこらえていたら、
パンフレッドを返された。
その時、花音がちょっと座り直して、俺に密着して座ってきたから、
思わず立ち上がって、パンフレッドを本棚にしまった。
そして、ちょっと花音から離れてまた座った。
「花音のおかげだよ・・・ありがとな」
そう言ったら、
俺の手をつないできて、「ううん」とかわいく首を振った。
やばい・・・手を離してくれ・・・