「1/4の奇跡」左側の君に【完】
花音の腕を引っ張った。
「勉強・・・しよう。
俺・・・数学苦手だからさ、
花音に教えて欲しいんだ」
花音は、俺の顔を覗き込んできた。
俺は・・・これに弱い。。。
「拓人は、そういうこと私としたいって思う?」
「いや・・・思わない」
俺は立ち上がって、机の椅子に座った。
「そういうことをしたら、受験勉強どころじゃなくなる気がするし、
やっぱ・・・そういうことは、ちゃんと・・・
ちゃんと順番というかなんというか・・・」
ごそごそと参考書を机に並べた。
その時、ふわっと後ろから抱きしめられた。
・・・・・あ・・・・あの・・・・
「俺の話・・・聞いてたか!?」
「うん。
じゃ・・・勉強の前にちょっとだけ・・・」
いつまでも抱きついているから、
「おい」って俺の顔の横にある花音の頭をポンポンと撫でた。
顔を上げた花音の顔を、思わず振り向いて見てしまった。
そしたら
キスされた・・・
「じゃあ・・・勉強しよ・・拓人」
・・・・はい。勉強します。。。
こんなじゃ、絶対に頭に入るわけない。
花音と一緒に勉強するのは、無理だと一日でよくわかった。
合格するまで、いろいろと我慢しようと思った。
じゃないと、本気でやばい。
俺・・・落ちる気がする。。。。。