「1/4の奇跡」左側の君に【完】
次の日、
私は、昨日と同じぐらいドキドキしながら、
携帯を握りしめていた。
「今日は、拓人くんの発表なのね・・・
お母さん今日も胃が痛いわ・・・」
お母さんも昨日と同じように、
そわそわしていた。
お昼を過ぎても、連絡が来なくて、
電話しちゃおうかと思ったけど、
やっぱり拓人からの連絡を待つことにした。
「まだ・・かしらね・・・
二人で合格したら、お祝いしたいわね。
明日、うちでパーティーしようか!ね!
お母さん、買い物行ってくるわ!」
お母さんは、エプロンをはずして、
買い物へ行ってしまった。
お母さん、気が早いな・・・
家にひとりきりになってしまって、
すごく不安になってしまった。
無意味にテレビをつけて、ボリュームを上げた。
しばらくしたら、
携帯が鳴った。
「拓人?」
メールがくると思っていたら、電話だったから、
ちょっとびっくりして電話に出た。
【花音・・・今家?】
「うん」
【今からそっち行くから】
「え。今から?」
【5時頃駅に着くから。着いたら電話する】