「1/4の奇跡」左側の君に【完】
電話を切って時計を見た。
3時半・・・
まだ、あと1時間半もある。
早く5時に・・・
会って、結果を言いたいのか、
電話では結果を言っていなかった。
しばらく、よくわからない再放送のドラマを見て、
時間をつぶしていた。
それでも、なんだか落ち着かなくて・・・
何度もトイレに行きたくなったりして・・・
そしたら、外で、ガタガタっと自転車をとめる音がして、
お母さんが帰ってきた。
やっとその時点で4時半。
お母さんに拓人と5時に駅で会うことを話した。
「合格していても、ダメでも、
うちに寄ってもらいなさい。
ご飯用意しておくから」
「うん・・・ありがとう」
私は、出かける準備をした。
自転車を出して、駅に向かった。
電話が来るのを待てなかった。
5時って言ってたから、もう今から行って
駅で待っているほうが、気持ち的に違うと思った。
駅に近づくと、電車がホームに停っているのが見えて、
もう少し近づいたら、
改札から拓人が出て来るところが見えた。
私は自転車から下りて、
自転車を引きながら駅にいる拓人に近づいた。
「拓人!!」
拓人は斜めがけしたリュックから、
封筒を出した。
「受かったよ」