「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「・・・・・・・・」
ゆっくりと優しく押し付けてくる拓人の唇。
ふと、唇が離れて目を開けると、
拓人の目は、まだ私の唇を狙っていて、
また唇を重ね合う・・・・・
私の頬を撫でる温かくて大きな手のひらが、
ゆっくりと下に滑り落ち、
首筋を撫でた。
ふっと唇が解放された。
「ごめん・・・」
拓人は私から手を離した。
「下にお母さんいるのに、こんなことまずいよな。
ほんと、ごめん」
拓人は気まずそうに髪をくしゃくしゃっとした。
顔を真っ赤にして髪をくしゃくしゃにしている仕草が、
なんだかかわいくて、
愛おしくて・・・
私は、ベッドに膝をついて、
拓人の首に後ろから抱きついた。
「・・・今俺、謝ったとこなんだけど・・・」
私は拓人の左耳に「ちゅっ」とキスをした。
「やめろって・・・」
拓人は左耳を手で抑えた。
「拓人・・こっち向いて」
拓人の左手を耳から離して、
耳元でそっと囁いた。
「やだね」
拓人はぷいっと反対方向を向いてしまった。
「拓人?」
「もうさ・・・俺の気持ちをわかれよ・・・」
拓人が自分の首に絡みついた私の腕をほどくように、
引っ張った。