「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人が落ち着いてから、下のリビングに行った。
「拓人くん、座ってね。
花音はコップ出して」
「うん」
拓人はテーブルの椅子に、私はキッチンの方へ歩いた。
「ゆっくり話せた?」
カウンターに料理を出しながらお母さんが言った。
私は食器棚の扉を開けて一瞬固まった。
「・・・う・・うん、まあ。。」
私はコップを4つ出して、冷蔵庫からお茶のペットボトルを出した。
テーブルの方へ行き、カウンターの料理をテーブルに並べ、
コップにお茶を入れた。
お母さんも座ってきたところで、
「じゃあ・・・二人共合格おめでとう」
と、お父さんがビールの入ったコップを持ち上げた。
「ありがとうございます」
拓人もお茶の入ったコップを持ち上げ、
ぺこっと頭を下げた。
「拓人くん、いっぱい食べてね」
お母さんが小皿を拓人に渡した。
「拓人くんは、どこの大学に合格したんだい?」
ご飯を食べながら、お父さんが拓人の大学のことを聞き始めた。