「1/4の奇跡」左側の君に【完】


莉子とは、1年の時は同じクラスだったんだけど、

2年になって、離れてしまった。


莉子も私もただ少し、髪の色が明るいだけ。


少しメイクを頑張っているだけ。


ただそれだけなのに派手に見られてしまって、


男遊びが激しいとか、

遊んでいるとか、

勝手に変な噂が出回っている。


私はそれがすごく嫌だったけど、

莉子が気にしないから、

私も気にしないことにした。


クラスが別れても、莉子と私はずっと親友。


こうして廊下で待ち合わせして

一緒に学食に行っている。


私はお母さんの作ったお弁当。

莉子はいつも学食でパンを買う。


「今日も彼氏と会うの?」


廊下を歩きながら、莉子に話しかけた。


莉子は地元に幼馴染の彼氏がいる。


幼稚園の頃からずっと好きだったらしい。


初恋が実るのって、本当にすごいと思うし、

憧れる。


初恋をまだしたことがない私だから、

なおさらだ。



「うん。花音も彼氏作ればいいのに。

うちの彼氏が、友達紹介するよって言ってたよ?」




私は、ぶんぶんと大きく首を振った。



「私は紹介とか合コンとか


無理無理出会うっていうのは嫌だから」



校舎を出て、渡り廊下をとおり、

賑やかな学食に入った。


「そんなこと言ってるから、

彼氏ができないんじゃん・・」




莉子は呆れたように笑った。








< 2 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop