「1/4の奇跡」左側の君に【完】
莉子とは、1年の時は同じクラスだったんだけど、
2年になって、離れてしまった。
莉子も私もただ少し、髪の色が明るいだけ。
少しメイクを頑張っているだけ。
ただそれだけなのに派手に見られてしまって、
男遊びが激しいとか、
遊んでいるとか、
勝手に変な噂が出回っている。
私はそれがすごく嫌だったけど、
莉子が気にしないから、
私も気にしないことにした。
クラスが別れても、莉子と私はずっと親友。
こうして廊下で待ち合わせして
一緒に学食に行っている。
私はお母さんの作ったお弁当。
莉子はいつも学食でパンを買う。
「今日も彼氏と会うの?」
廊下を歩きながら、莉子に話しかけた。
莉子は地元に幼馴染の彼氏がいる。
幼稚園の頃からずっと好きだったらしい。
初恋が実るのって、本当にすごいと思うし、
憧れる。
初恋をまだしたことがない私だから、
なおさらだ。
「うん。花音も彼氏作ればいいのに。
うちの彼氏が、友達紹介するよって言ってたよ?」
私は、ぶんぶんと大きく首を振った。
「私は紹介とか合コンとか
無理無理出会うっていうのは嫌だから」
校舎を出て、渡り廊下をとおり、
賑やかな学食に入った。
「そんなこと言ってるから、
彼氏ができないんじゃん・・」
莉子は呆れたように笑った。