「1/4の奇跡」左側の君に【完】
どうやって家に帰ってきたのか、
わからなかった。
気がつくと、
俺は自分の部屋のベッドに仰向けに倒れていた。
【花音も大学生になって就職して結婚して、
お母さんになるのよ。お父さん楽しみね】
【結婚して子供を産んで・・・そうだな・・
花音には本当に幸せになってほしい】
花音のお父さんとお母さんの言葉を思い出した。
一人っ子の花音。
大切に育てられている花音。
【泣かせるようなことをしたら許さないぞ!約束しろ!】
花音のお父さんの言葉が、胸に刺さった。
花音が難聴遺伝子を持っているか持っていないかは関係なく、
そんな遺伝子、持ってない男と結婚したほうがいいだろ・・・
【私、いつか拓人の赤ちゃん産みたい】
顔を赤らめて俺を見上げていった花音。
俺は仰向けから俯せになって、枕に顔を埋めた。
トントン トントン