「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人と一緒に帰るのも、今日で最後。
「そうだ・・部屋決まった?」
「いや・・まだ。
やばいよな早く決めないと、あははっ」
拓人は、にこにこ笑っていた。
「拓人?」
「ん?」
拓人はまだ笑っていた。
今日の拓人は、やたらとご機嫌だと思った。
「なんか、飯食おう、腹減った」
駅前のショッピングモールに入って、
私はてっきりフードコートだと思っていたら、
拓人はレストラン街の方へ私を引っ張っていった。
「卒業祝いに、うまいもん食おうぜ!」
今日はずっとにこにこな拓人に、
うれしいような、なんか変なような・・・・
ちょっとおしゃれなレストランに入って、
パスタを食べている時も、
ずっと拓人は、
笑っていた。