「1/4の奇跡」左側の君に【完】
私は振り向いて拓人を見た。
拓人も私をじっと見つめてくれた。
「もう・・・会えないの?」
拓人は一度目をそらしてから、
「うん」と頷いた。
もう会えないというなら、
今、この瞬間を目に焼き付けたいと思った。
拓人の顔も、手も、体も・・・
全部大好き・・・・
「大好きだよ・・・拓人。
私の気持ちは、どんなことがあっても
これからもずっと変わらない。
ずっと拓人を好きでいるから。
拓人しか、好きになんかなれないから・・」
そう言った瞬間、ガシッと腕を引っ張られて抱きしめられた。
「俺・・・
花音が幸せになることを、
ずっとずっと・・・祈っているからな。
大学行って、天文の仕事して、
結婚してお前は・・・・
元気な子供を産んで・・・
幸せになるんだ。
お前は、幸せになるんだ・・・」