「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「私・・・なんか嫌われるようなことを、
気づかないうちにしていたのかもしれない。
どこがいけなかったんだろうって、
何がいけなかったんだろうって、
何度も考えた」
詩織は背中をさすりながら、
うんうんと頷いてくれた。
「拓人がまだ好きで、
この気持ちをどうしたらいいのか、
つらい・・・」
詩織はまた向いの席に戻った。
「花音、顔あげて」
詩織に言われて、私は顔を上げた。
「私、思うんだけど、
別れの理由が、あやふやだよね。
そんなんじゃ花音が納得できないの、当たり前だよ。
つらくなるのも、当然だって。
このままじゃ、よくないと思うよ?
もう一度和泉に会って、
ちゃんと話し合ったほうがいいと思う」
それが・・・
「携帯の番号もアドレスも変えちゃったみたいで、
一人暮らししている場所も知らないし、
もう、どうすることもできないっていうか・・・」
「大学は知っているんでしょ?
一人暮らしの場所はわかんなくても、
自宅は知っているんでしょ?
そっから攻めていけばいいんじゃない?」