「1/4の奇跡」左側の君に【完】
学生生活
私はほぼ毎日のように、8時45分から6時まで大学で講義を受け、
勉強に集中するようにした。
余計なことを考えてうだうだとしているなら、
大学に行って講義をうけているほうが、
私にはよかった。
2年までは、専攻プラス教養と基礎も受講しなくてはいけなかったから、
正直きついというか、
興味があまりない分野とか、苦手な分野も必須だったから、
ついていくのに、必死だった。
想像していた学生生活とは違って、
講義とレポート提出に追われて、
誘われるがままに【宇宙研究室】なんかにも入ってしまって、
さらに自分の首をしめていた。
でもその研究室の鈴本准教授の講義は、
本当におもしろくて、
私はその講義の日が毎回楽しみだった。
「今日は一様等方宇宙について復習するぞーいいかー。
ついてこいよー。
これは宇宙論の基礎になるからな。
前回もやったがー
ロバートソン・ウォーカー計量からフリードマン方程式を導き、
宇宙論バロメーターを定義する。
ロバートソン・ウォーカー計量ってやつは・・・」
必死になってノートに式を書き写す。
もう、嫌なことは全部忘れて、
宇宙のことで頭をいっぱいにしたいと思っていた。
大変だったけど、
楽しくて、充実した日々だった。