「1/4の奇跡」左側の君に【完】
中ぐらいのマイクロバスが一台、
駐車場に入ってきた。
最初に若い女の先生と、
ベテランぽい女の先生が出てきた。
「今日はよろしくお願いします」
ベテランぽい先生が声をかけてきた。
「こちらこそよろしくお願いします」
私が頭を下げると、
ベテランの先生は、通訳するかのように、若い先生に手話で語りかけていた。
そして、若い先生は私に「よろしくお願いします」と言ってきた。
その発音からして、この若い先生は耳が不自由な先生なんだとわかった。
そして、リュックを背負った子供たちが15人
バスからぞろぞろと下りてきた。
失敗した・・・【こんにちは】ぐらい
手話を調べておけばよかった。。。
ちょっと後悔しながら、
他の職員と出迎えていたら、
最後に、
校長先生っぽい男の先生と、
若くて背の高い男の先生がバスから下りてきた。
私はその背の高い先生を見て、
体に電気が走ったんじゃないかと思うぐらい、
ドキッとした。
体が震え出した。
私の目の前を通り過ぎたのは、少し大人の男性になった
拓人だった。