「1/4の奇跡」左側の君に【完】
私は少し片付けをして、
天文台から外に出た。
出てすぐの場所から広場を眺めると、
子供たちがシートを広げて、
お弁当を食べていた。
先生たちも子供たちの間に入って食べていた。
遠くから、拓人を眺めた。
今、初めて落ち着いて拓人を見ている気がする。
そっか。ちゃんと先生なんだ。
頑張ったんだね・・・拓人。
私は、空を見上げて、大きく深呼吸した。
そして、また天文台に戻ろうと思った時、
ひとりの女の子が、こっちに走ってくるのが見えた。
・・・どうしたんだろう・・・トイレ?
女の子は私のところにきて、飴がたくさん入った袋を見せた。
私はしゃがみこんで、顔を覗き込んだ。
何か話してくれているんだけど、
発音が不明瞭でよくわからなかった。
「飴?私に?くれるの・・・かな?」
一生懸命話しかけてくれて、
なんだか申し訳なくなった時、
拓人が走ってきた。