「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人と女の子は手話で会話をし始めた。
「星の形の飴なんだって。
いちごとラムネの味の2種類あるから、
一つずつ取ってって言っているよ」
あ・・・そういうことだったんだ。
「ありがとう・・・」
私はそう言って、袋の中を覗いてみた。
可愛らしい星の形の飴。
ピンク色と水色の一つずつもらって、
また、頭を下げた。
そしたら、また女の子は手話をした。
え・・・
まって・・・今・・・
「もう一度今の手話を見せて」
私がそう言うと、拓人は気まずそうに女の子に、
手話をすると、
女の子はもう一度ゆっくりと手話をした。
何か手話をした最後にする、その手の動き。
開いた親指と人差し指を
くっつけながら下にさげる。
別れた日に拓人が電車の中で繰り返しした仕草だ。
「何て・・・言ったの?」
拓人は同じ手話をしながら通訳した。
「私は、星が・・・・・・」
そしてあの時と同じ仕草をした。
「・・・・・好きです」