「1/4の奇跡」左側の君に【完】
・・・・・・・・・好き
あの時、
電車の中で、
苦しそうな表情で、
何度も
何度も何度も繰り返していた
あの仕草
そして、窓ガラスに手をついて、
頭をうなだれてしまった拓人
・・・・・・・好き
あの時、私を指差して・・・
「そう・・・か。
そうだったんだ・・・・」
私はしゃがんでいた膝に顔を埋めた。
平常心だ・・・バカ。
冷静になるんだ・・・
今頃気づいたってもう・・・
私は、顔を上げた。
「私も・・・星が好きなんだよ。
今日の夜はね、オリオン座流星群っていって、
流れ星を見ることができるから、
夜10時ごろから東の空を眺めてみてね」
拓人が通訳を終えると、
女の子は胸をポンポンと叩いてから、
みんなの方へ走って戻っていった。
私が立ち上がると、拓人も立ち上がった。
「元気だったか?」