「1/4の奇跡」左側の君に【完】
忘れ物
次の日、
朝、いつものように研究室に入って行くと、
トントンと肩を叩かれた。
振り向くと、真壁さんが立っていた。
「おはようございます・・・昨日はすみませんでした」
私は頭を下げた。
「謝ることなんかないんだよ。
あのね、これ忘れ物みたいなんだけど・・」
真壁さんは、可愛いピンクのキャラクターの水筒を持っていた。
「昨日の生徒さんのですかね・・・」
私は、水筒を受け取って、名前がないか見回した。
【うす田 星夏】
「名前・・・ありますね」
「電話で確認してあげてくれる?」
「わかりました」
「もし、その学校の子だったら、届けてあげてね」
「私が・・・ですか?」
「うん。頼むよ」
「・・・わかりました」
私は早速昨日の学校に電話をして問い合せをした。
すると、やはり水筒の子はその学校に在籍している子で、
私は、すぐに届けることとなった。