「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「話ってなんだ」
お父さんもお母さんもご飯は食べずに、
真剣な顔で拓人を見つめていた。
「花音さんと・・」
「お前のせいで、どれだけ花音が傷ついたと思っているんだ。
お前のせいで、どれだけ花音が泣いたと思っているんだ。
ずっとだぞ・・ずっと。
今まで、ずっと花音はお前のせいでひとりでいたんだぞ。
泣かせないって約束はどうした!
大切にするって言った約束はどうした!
俺は、絶対に許さないぞ。
俺は、お前が憎い!
花音を苦しめたお前が心底憎い!」
拓人は目をそらすことなく、お父さんをまっすぐ見つめていた。
「本当に、申し訳ありませんでした」
「高校卒業した直後に、
天文台にきて、
『別れます』
『花音の幸せを祈ってます』
それしか言わないで・・・
俺はまた、もう一発殴ってやりたいぐらいだ!!」
「え・・お父さん、拓人くんを殴ったの?」
「拓人、天文台に行ったの?」
お母さんはお父さんに、
私は拓人に、
同時に質問をして、
二人共同時に頷いた。