「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「やったあ!!
じゃあよろしくね!
衣装、後ででいいから、合わせてみて」
そう言って私たちに紙袋を渡して、
阿部さんは、「和泉くんと葉月さんOKだって!」と、
大きな声でみんなに言った。
想像以上に歓声があがって、
少し恥ずかしくなって和泉を見ると、
和泉は頭を抱えていた。
「和泉?」
ん?とこっちを向いた和泉の顔は、
真っ青だった。
「大丈夫?顔色・・悪いけど・・」
和泉は少しつらそうに、机に手をつきながら立ち上がった。
「俺、ちょっと保健室行ってくる。
先生に伝えといて」
少しふらつきながら和泉は歩き出した。
「大丈夫?」
私は立ち上がって、和泉の腕を持って支えた。
「保健室まで一緒にいこうか?」
和泉は、私の腕を払って嫌そうな顔をした。
「大丈夫だよ。お前は、ちゃんと授業うけろ。
ついてくんな」