「1/4の奇跡」左側の君に【完】
同じ
私もお風呂に入り、
自分の部屋から掛け布団を持ってきて、
小さな間接照明だけつけて、
リビングのソファーに横になった。
少しでも拓人のそばにいたかった。
今、自分の家で拓人が寝ていると思うと、
すごく不思議な感じがして、
寝てしまったら、これは全部夢になっちゃうんじゃないかって、
怖くて、眠ることができなかった。
ずっと想い続けてきたから、
ずっと会えないと思ってきたから、
もう、二度と触れることもできないと思っていたから。
怖かった。
また、突然消えてしまうんじゃないかって、
怖かった。
何度も頬をつねって現実なのかを確かめた。
何度も体を起こして、拓人がいるかを確かめた。
何度か繰り返していたら、
拓人がむっくりと起き上がった。