「1/4の奇跡」左側の君に【完】
和泉が教室を出たと同時に、担任が教室に入ってきて、
授業が始まってしまった。
・・・体調悪いのかな。
授業中、何度も空っぽの隣の席を見ては、
心配になっている自分がいた。
またもや全く身の入らない授業を受け、
休み時間のチャイムが鳴るとすぐに、
保健室へとダッシュしていた。
「失礼します・・」
小さな声で言いながら扉を開けると、
保健室の先生が机に向かっていた。
「どうしたの?」
先生はメガネの縁の上から私を見た。
お母さんと同じ年ぐらいの先生。
私は先生の机のそばまでいき、
すぐそばに置いてあった、丸椅子に腰掛け
先生と向き合った。
「先生・・和泉・・いる?」
先生はカーテンで囲まれたベッドを指差した。
「そこで寝ているわよ」
「どっか具合悪いの?」
私はさらに小さな声で先生に聞いた。
「少し頭が痛いみたいね。
和泉くん、時々あるのよ。
でもちゃんとお医者さんにかかっているみたいだし、
しばらく寝ていると治るみたいだから。
大丈夫よ。
心配?」
先生はちょっとにニヤッとした。
「・・・うん」
私が頷くと、先生は立ち上がった。
「二人きりにしてあげようか?」