「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人はずっと頭を下げたままだった。
私は拓人の膝に手をのせた。
「幸せなんだよ・・・」
拓人は顔を上げた。
「もう、幸せなんだよ・・・私。
この先もずっと拓人のそばにいられるんでしょ?」
そう聞くと、拓人は頷いた。
「じゃ・・・私ずっと幸せだ・・・」
私は箱と左手を、拓人に差し出した。
拓人は箱を受け取ると、
指輪を取って、私の左手の薬指にそっとはめた。
私はその手を、夜空にかざした。
小さな石の輝きは、
私には星よりも何倍にも輝いて見えた。