「1/4の奇跡」左側の君に【完】
夏の天の川が流れる夜空の下、
天文台の広場のベンチ
俺の左側に座って、夜空を眺めている
小さな肩を優しくたたくと、
くるっと黒目がちの大きな瞳で俺を見上げた。
「綺麗だろ?」
俺がそう伝えると、
「いえぇ・・・(きれい)」と、小さな左の手の平を、右手でなでた。
そしてまた心音は、背中を丸めてぐっと上を見上げて、
天の川を眺めていた。
そのキラキラ輝く瞳に、
天の川はどんなふうに映るのだろうか・・・
いろんなところに連れて行こう
いろんなものを見せてあげたい
俺がじっと心音を見つめていたら、
心音の隣の花音が微笑んだ。
「大丈夫だよ・・心音は。
私たちの、奇跡の子だから・・・」
いつか知ってほしい
君が生まれてきた意味を
左側で微笑む君に・・・・・
【1/4の奇跡】~左側の君に~
・・・・・fin・・・・・