「1/4の奇跡」左側の君に【完】
今朝、学校でめまいがして、
保健室で休んだ。
寝ていたら花音が「拓人」って呼んで・・
昨日からモヤモヤしていた俺の気持ちが
はっきりした。
・・・俺・・こいつのことが好きだ
昨日から何かおかしかった。
今まで同じクラスだったから、
花音のことは知っていたけど、
なんとも思っていなかった。
放課後、バスケをしていたら花音が見えて、
声をかけると
「和泉のバスケをしているところが見たかっただけ」
そう真っ赤な顔で言われた。
俺のシャツを掴む手が、少し震えていて、
気づくと腕を引っ張って体育館の中に入れていた。
花音が見ていると思うと、部活中やたらと緊張もした。
俺のジャケットをギュッと抱えている花音を見た時も、
一緒に帰った時も、
電車の中から、ホームで手をふる花音を見た時も
なんだかよくわからない感情に襲われた。
家に帰ってからもずっと花音のことが頭に浮かんできた。
無意味に毎日をすごしてきた俺が、
明日がくるのを楽しみにしている。
俺、花音の事が・・・
でも俺・・・
人を好きになっていいのだろうか・・・
こんな体で。
やっぱダメなんじゃないか・・・