「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「先生・・俺も母親みたいになるのかな・・」
医者は俺の顔を見て深くため息をついた。
「100%ならないとは言い切れない。
とにかく今は、これ以上悪くならないように、
落ちたらすぐに薬を飲むしかない。
でもね、万が一お母さんと同じようになっても、
今はお母さんの頃よりもずっと医学が進歩している。
大丈夫だ。何とでもなる。
それに命に関わる病気じゃないんだ。
大丈夫だ。僕がずっと診ていくから」
初めて診察された時からずっとこの医者で、
なぜかすごく信頼できて、
なんでも話せる関係になっていた。
俺は、気になっていることを医者に聞いた。
「俺・・例えばさ・・
この先、就職とか、けっ・・結婚とか・・
俺・・普通の人生
送れんのかな・・・」