「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人は少しうつむいて笑った。
「俺ってすげー勝手だな・・・」
そして私の顔を覗き込んだ。
じっと見つめられて、また
泣きそうになった。
「お前・・すぐ泣くもんな・・・」
拓人が私の頭を優しく撫でた。
「拓人のこと、大好き。
私と付き合ってください」
拓人はそのまま私の頭を引き寄せ、
私をぎゅっと抱きしめてくれた。
座ったまま拓人の胸に抱きついた。
「彼女作る気ねーって今言ったじゃん・・俺」
拓人の胸から響く声。
「今・・言ったじゃん・・俺・・」
もっと強く抱きしめてきた拓人。
言葉と行動が逆行していて、
拓人の気持ちがわからなかった。
私は拓人の胸をゆっくり押し離した。
胸に手をあてたまま、
拓人を見つめた。
「拓人は私のこと好き?」