「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人は星が好きだろうか・・・
他の人が星を好きかと考えた時に、
いつも脳裏に浮かぶあの言葉。
【花音ちゃんっていっつも星ばっかりの話、
ほんと、つまんないんだよね】
小学校1年生の時、初めてできた友達、
私は親友だと思っていたら、
そう言って、私から離れていった。
私はその頃、人ってみんな星が好きなんだって思い込んでいた。
お父さんもお母さんも星が好きだから、
わからなかった。
今思うとバカだったなって思うけど、
その時は、本当にショックで、
それから私は、他の人に星の話をするのをやめた。
いつしか星が好きであることを、
口にすること自体、
恥ずかしい事と思うぐらいになっていた。
ロマンチストとか思われそうで、
ぶりっ子とか思われそうで。
その言葉をきっかけに、周りに合わせるようになった。
自分の話をしたら、離れていく。
周りの話を聞いて、合わせていれば、
友達でいてくれる。
それから、好きでもないアイドルを好きだと言ったり、
好きでもない音楽を好きだと言って無理無理聞いてみたり、
周りに合わせることに必死になっていた。