「1/4の奇跡」左側の君に【完】

気持ち




次の日の朝。



学校に着いて、

階段を上り、

教室のある階の廊下を歩いていたら、

教室の前で、詩織と莉子が立っていた。




「おはよ・・どうしたの?」



私が二人に駆け寄ると、



「進展あり?」

と聞いてきた。



「・・・・なし。。。」



私がそう答えると、


「どんまい」と、二人から肩を叩かれた。



「アドレスも?帰りの約束も?」




莉子の言葉にドキッとした。



「・・・聞くのをうっかりと・・・」


「忘れた?」


「・・・うっかりと」



「うっかりじゃないでしょーが!

今すぐ聞いてこい!!」



ドンっと背中を二人から押されて、

教室に飛び込んだ。






すると机に頬杖をついて座っている拓人が見えた。



・・・今日は寝ていないんだ・・




後ろを振り返ると、廊下から莉子と詩織が「行け」と

厳しい視線を向けていた。




私は「うん」と頷いてから、拓人に近づいた。





「おはよう拓人」



私は自分の椅子に座った。


「あぁ」



気のない返事をした拓人。

いつもそうだから、この拓人の挨拶に私は慣れていた。





私は自分の携帯をぎゅっと掴んで、


拓人の方を向いた。



「拓人のアドレスを教えて」













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