「1/4の奇跡」左側の君に【完】
何・・・
同情?
相談?
体の話かな・・・
ガラガラガラガラ
ゆっくりとドアが開いて、
先生と拓人が出てきた。
「花音・・・」
「どうした、葉月」
拓人は目を見開いて驚いていた。
「拓人を待っていて・・・」
先生は、あぁ~と頷いた。
「お前らやっぱり付き合っていたのか、
悪かったな、待たせて。
じゃあ・・気をつけて帰れよ」
先生はニコニコしながら廊下を歩いていった。
「・・お前いつから廊下にいたんだよ」
拓人の目は冷たく、
怒っているように感じた。
「たったさっきから・・ごめ・・」
「話聞いてたのか?」
私は首を振った。
「ただ、何かあったら相談しろって先生の声だけ聞こえた。
ごめん・・聞くつもりじゃなかった」
私の言葉に拓人はホッとしていた。
「私には、聞かれたくないこと・・なんだね」
拓人は教室のドアを閉めた。
そして、「ごめん」と謝って歩き出した。