「1/4の奇跡」左側の君に【完】
校舎を出て、昨日と同じように隣を歩いた。
でも、昨日とは違った。
今日は私と拓人の間には、
見えない壁がある。
そう感じた。
私、どこかで自惚れてた。
付き合えないって言われてたのに、
彼女のような気持ちになってた。
なんでも話してくれてるって、
思ってた。
なんでも聞けば答えてくれていたし、
でも、違ったんだ。
先生には言えて、
私には言えない・・・
やっぱり私は、
彼女じゃないんだ。
そう、思い知らされた。
ずっと無言で歩いている拓人の腕を掴んだ。
「少し、話しよ・・」
そう言って、また、
昨日のベンチへと、拓人を連れて行った。