「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人は俯いていた。
そして私を見た。
「俺の病気は、一生治らない」
・・・・・・・えっ
「治らないどころか、悪くなるかもしれない」
私は体が震えてきた。
寒さじゃない・・怖かった。
「どこが悪いのかっていうことは言いたくない。
変に気を使われたり
同情されるの俺・・嫌なんだ。
花音。
俺は、花音が大切だって言っただろ?」
私は深く頷いた。
「花音の気持ちに応えたい。
受け止めてやりたい。
でもそれは、
花音を苦しめることになる気がするんだ。
だから、
花音の気持ちに応えることはできない。
こんな病気持ちの男なんて、やめておけよ・・
他の男に・・」
「なんでそんなこと言うの!!
なんでそんな・・・
そんな言葉、拓人から聞きたくない!!」