「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「うん・・・」
私は頷いた。
「拓人はいつから、その噂を知っていたの?」
拓人はゆっくりと起き上がった。
「花音と話すようになってから、
部活の奴らから、ちょっと聞いた。
でも、花音のそばにいればすぐにわかる。
噂は嘘だって。
花音が男に慣れてる?
笑わせんな。
んなわけねーじゃん。
こんな・・全然慣れてねーじゃんな」
私は一気に顔が熱くなった。
「な・・なにそれ!!
バカにしてんの?」
私はぷくーっと頬をふくらませた。
「バスケしてる俺を見たいって体育館に来た時、
俺のシャツ掴む花音の手が、すげー震えてた。
花音はさ、
すぐに顔赤くなるし、
すぐ泣くし」
あはははっと私の方を向いて、
拓人は爆笑した。
からかわれたような、
バカにされたような・・・
私だって・・・と、ちょっと悔しくなって、
立ち上がって、拓人をガバっと押し倒した。
「うわっ!!」
長方形のコンクリートの上に押し倒して、
拓人の上にまたがった。
「お前・・・のっかるなよ!何してんだよ!」
私は拓人を見下ろした。
「私だって、好きな人には・・
拓人には、こういうことだってできちゃうんだから!」
拓人の顔は、見たことないぐらい真っ赤だった。
「わ・・わかった。わかったから、
お前・・降りろ!
スカートで乗っかるなんて・・お前バカか!!」