「1/4の奇跡」左側の君に【完】
約束
隣の席から拓人を見ると、
「なんだよ、見んな」って、
また顔を赤らめて。
放課後
帰り道は全然こっちを見なくて。
でも、
私が拓人の左手を繋いだら
ぎゅっと握り返してくれた。
「もうすぐクリスマスだね」
駅へと続くエスカレーターで、
後ろにいる拓人にそう声をかけた。
「あぁ・・そうだな」
エスカレーターが登りきったところで、
私はあることを思いついた。
「拓人・・プラネタリウム好き?」
改札へと歩きながら、拓人は「ん?」と首を傾げた。
「クリスマスに、一緒にプラネタリウムにいかない?
うちから更に先のA駅からバスに乗って・・・って
ちょっと遠いんだけど・・」
拓人がやっとこっちを向いて笑ってくれた。
「いいよ」
よかった・・・
お父さん・・倒れちゃうかな・・・
でも、拓人ならきっと大丈夫。
お父さんも気に入ってくれるはず。