「1/4の奇跡」左側の君に【完】
お父さんはがっくりと肩を落とした。
「花音・・・彼氏・・・
花音・・・」
「お父さん!しっかり!
花音も高校生なんだから、そんな年頃よ!
普通のことよ!」
お母さんがお父さんの背中をさすった。
「・・・いってきます・・・」
そのままこっちを振り向く事なく、
トボトボと仕事に出かけて行った。
「大丈夫かしら・・・お父さん」
お母さんは「はぁ」と、深いため息をついた。
「大丈夫だよ。拓人を見れば、
お父さんも安心すると思う」
うん。絶対に。
「そんなに?
ぜひお母さんも会ってみたいわぁ。
そうだ、帰りに家に寄ってもらって。
夕飯一緒に食べてもいいし」
二人でリビングにもどった。
お母さんはキッチンに、私はカウンター挟んで、テーブルの方に。
私が椅子に座ると、カウンターに朝ごはんを出してくれた。
「拓人に聞いてみるね。
家が遠いから、時間が大丈夫かわかんないから」
私はテーブルにご飯を並べた。