「1/4の奇跡」左側の君に【完】
拓人とは
私の駅のホームで1時に待ち合わせをしていた。
家を出る時間になり、
玄関の鏡で髪型をチェックしてから、
外に出た。
雲ひとつ無い快晴に、思わず目を細めた。
駅まで自転車で5分。
家の脇にある自転車を門の外に出した。
「こんな寒いのに、ショートパンツにショートブーツなんて。
女の子は下半身を冷やすとあんまりよくないのよ・・」
自転車にまたがった私のマフラーを整えながら、
お母さんが言った。
「もう・・・お母さんなにそれ?
大丈夫だよ。行ってきます!」
私は自転車をゆっくりとこぎ始めた。
私の駅で、拓人が待っている。
そう思うと、もっと強くペダルを踏み込みたい・・でも・・
スピードを出すと、せっかく巻いた髪型が崩れちゃう・・
私は髪を気にしながら、
駅へとちょっとだけ急いだ。