『歩』〜人は愚か〜
秋の空は青くそして高い高い空だった

声援、歓声、活気、

素晴らしい運動会だったと今でも思う


バトンクラブのパレードは鼓笛隊と合同で行う小学校のメインともいえるものだった。

校庭を広々と使いバトンクラブは先頭を歩く

その、一番先頭を歩くのは、選抜されたループバトンを持つ私と他3人だった


私の今までの努力、そして絶望の支えそれがこの日のためのものだった


この15分間私は誰のためでもなく、自分のために踊った

母がその姿を見に来てくれたことにも気づかずに

力の限り精一杯私は持てる力の全てを使って


踊り終わった時にはもう全てが終わったんだ・・・

と、放心状態だったと思う。

気がつくと運動会は終わり赤組が勝ったのかすらもう覚えていなかった



家に帰った時には

母からの電話で、兄と姉が怒っていたのを覚えている
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