『歩』〜人は愚か〜
その日からしばらく母は一日のうちで朝だけは家に居るようになった

でも、9時を過ぎると家から居なくなった

働いていたのかも私は知らない



気が付けば、いつのまにうちに犬が居た


どうして犬を飼うようになったのか記憶がない

白くて大きな犬だった

玄関の横に犬小屋があったので

私は玄関で長く時間を過ごす事が多なった

犬は唯一の私の安らぎで友達だった


でも、犬も私もどんどん痩せていった



食事は保育園があれば朝と昼食お食べれたが

日曜はお昼もないし、日曜の朝は母が居なくて朝食もない

お腹が空いたら水を飲んでいた

友達と遊ぶとお菓子がもらえた

だからそれまで我慢した。


食べない分私は記憶力さえもなくなっていった

その時の感情も覚えいない


私は犬と一緒だった

いつも誰かの帰りを待っていた・・・


涙もかれて出なくなった・・・

泣かない子供に私はなっていた気がする
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