天国からのラブソング
高校2年───────…………………
「蒼ー!!!!あたし、彼氏できた!」
朝、教室に入った私の目に飛び込んできたのは
親友であり幼なじみの1人、萩原冴子。
「おめでとう」
笑顔で微笑みながらそう言うと
わたしは席に座った。
「もー、蒼はつめたいんだからー!!ねー、彼氏の名前はー…」
永遠に話すんじゃないかと思うぐらいに長い冴子の話を
無視してわたしは空を見上げた。
目をつむるとクラスのざわついた声が聞こえた。
隣の子は昨日のデートの話。
後ろの子は占い雑誌の話。
前の子は公開したばっかりの映画の話。
そして、わたしがいちばん嫌いな人は
色声をつかってがんばってる。
「…ちょっと?!蒼!?話聞いてるの??」
「ぁ、ごめん」
「もー……ぁ、爽太!」
隣から気配を感じて横を見ると
冴子とおなじ幼なじみの1人である爽太がいた。
〆