天国からのラブソング
「おはよー!冴子と蒼ー」
いつものハニカミ笑顔で笑うからこっちを見ていた女の子たちが
キャーキャー騒いでる。
「今日も朝からモテモテねー爽太くん♪」
冴子がちゃかしながら言うと爽太は、あー、とうめきながら
苦笑いをした。
わたしの幼なじみである長谷川 爽太は学生の中でもトップ3に入るぐらいの
イケメンであり運動神経抜群のサッカーバカ。
唯一できないのは、勉強と音痴ってことだけ。
幼なじみの私たちにとっては爽太は恋なんてする相手でもないし
ましてや爽太も同じ気持ち。
だけど………爽太と話すだけでクラスの女の子たちは
バカみたいに悪口を言う。
「バカみたい」
そうつぶやくと爽太は手を私の頭においてわしゃわしゃと撫でた。
「俺もそう思うよ」
「それより!!爽太!!あたし彼氏できたの!!」
「まぢかよ!!誰だよ」
爽太と冴子が盛り上がるのをよそにわたしは
ウォークマンを手にとった。