SA-KU-RA〜これが俺の歩む道・これが私の歩む道〜
「こういう時、私がお連れのお客様とお話してる時は、ヒナちゃん?

あなたが私の変わりに行ってねっ。」


ニコッ。


とモエは私に言った。


ニコッじゃねぇし。


でも仕事的には私のミスなのかなぁ・・・。


「すみませんでした」

私はそう言って、席をたちトイレに向かおうとした。

「ヒナちゃん!?

ごめんね、ありがとう!!」


ニコッ!!

満面の笑みのモエ。

思ってもないくせに・・・。



私は、おしぼりを持って遠くに見える番テーブルを眺めていた。


ここからは、モエは見えなくギリギリ心生の姿だけ見える。


あっ!!!
私、都合いいからだ!!

モエが私をあの席につくように言ったのは・・・。
私が新人でモエにとって都合いいからだ!!


もしかして、最初から心生と番号交換するために都合のいい私を・・・??


考えれば考えるほど、モエという女が何を考えてるのか分からなくなってきた・・・。


心生・・・。

その女とだけは絶対に、番号交換しちゃダメだよ・・・。絶対に・・・。


女の直感だった・・・。
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