SA-KU-RA〜これが俺の歩む道・これが私の歩む道〜
「けどなっ!!菜々は違う!!!!」

吉本は力強く俺の目を見開いてそう言ってきた。


「菜々は、親がつくった借金を返す為に、この街にきて水商売してるんだよ。

親が逃げてしまって、あいつが全部背負ってる。
だから、俺はアイツのこと応援したくて、たまに店に行って指名する。

ただそれだけの話だ。
だから俺はアイツを女としてみたときの感情は何もねぇんだよ。」


感情は何もない??

応援してる。好きだから応援してる!!違うのか??それとも俺の考えが浅はかなだけかっ?

つーか、何か借金の話・・・。
可哀想やなぁ・・・

菜々・・・。


「アイツは親もいなくなって帰る場所もないし、知らない街に来て水商売して・・・・
寂しい思いしてると思うんだけどなぁ・・・

そして菜々は、いまお前を求めてるじゃないのかなぁ・・・」


吉本は淡々と話した。


知らない街に来て寂しい思いかぁ・・・。
俺はワクワクして、地元を出て来たから、寂しい思いとかはなかったなぁ・・・。
菜々・・・。

菜々に対する思いがほんの少しだけ変わったのが自分でもはっきり分かった・・・。

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