白と黒の神話
 セシリアたちの胸の内をみすかしたような言葉。そして彼はこの場がどこかの屋敷でもあるかのような顔で話し続けている。


「でも、それは教えてあげたいけど、教えられない」

「あなたは私たちの敵なの? それとも味方なの? 本当にアルディス様の行方を知っているの?」


 自分たちをからかっているようなシュルツの言葉にセシリアは苛ついている。そんな彼女の様子をどこか面白そうにみているシュルツ。


「見方次第だよ。僕は君たちにとっては敵かもしれない。しかし、別の見方では協力者になれる。聖王女の行方に関しては……」


 シュルツはそこまで言うと思わせぶりに言葉を切っていた。それに我慢ができなくなったカルロスがかみついている。


「アルディスの行方を知っているんだろう。それに、盟主とやらは何者だ。貴様の妹とかいっていたな」
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