白と黒の神話
「つまり、あんたは自分たちではどうともできないことをあたしたちにさせようというわけね」


 シュルツの話から大体の事情を察したミスティリーナがそう言っている。それに対して、シュルツは笑っているだけである。それは、彼自身の思惑は別のところにあるといっているかのようである。


「気になるなら調べてごらん。もっとも、君たちがどこまで調べられるかはわからないけどね」


 そう言うなり、その場から姿を消しているシュルツ。後に残されたセシリアたちは、謎がまた増えたことに困惑の表情を隠すことができなかった。
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