白と黒の神話
「リアからきいたのよ。そこの王子様との結婚話があるって。それって、あたしからみたら政略結婚にしかみえないわけ。でも、さっきからみてたらそれだけじゃないような気がしたのよ」

「知っていましたか。そうです。わが国からグローリアに申し込みはしています」

「でも、難しいでしょ。あたしも会ったけど、あのシスコンぶりって尋常じゃないもの」


 ミスティリーナのその言葉にウィアは思わず笑い出している。


「彼に会ったんですね」


 その問いかけにミスティリーナは肩をすくめながらうなずいている。


「カルロス様もいい勝負ですよ」


 そう言いながらカルロスの様子を横目でみたウィアは、ため息をつきながら言葉を続けていた。


「誰があんな形でアンデッドやヴァンパイアにかみつくんです」


 その言葉に思わず納得した顔をしているミスティリーナ。
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