白と黒の神話
「陛下、もう一つお願いが」
「何だ」
セシリアが何を言おうとしているのか見当がつかないウィルヘルムはそう言っている。それに対して、セシリアは臆するところを見せることもない。
「聖教皇様にお目にかかりたいのです。陛下のお力でなんとかなりませんか?」
「わかった。聖教皇に会えるように手配してやろう。他に何かあったかな?」
あえて、カルロスを無視するかのようにウィルヘルムはそう言っている。それに対してカルロスが何か言おうとしているのを強引に引き止めているウィア。
「わかっているんでしょう。強制送還されたいんですか」
「お前のその根性だけは見上げたものだな」
自分の耳元で脅し文句を囁くウィア。その彼の顔を睨みつけているカルロス。しかし、ウィアはそれを気にもしていない。もっとも、それは国王とセシリアについても言えることだった。ボソボソ喋っている主従の姿を気にもせずにウィルヘルムはセシリアに宝物庫の鍵を渡していた。
「何だ」
セシリアが何を言おうとしているのか見当がつかないウィルヘルムはそう言っている。それに対して、セシリアは臆するところを見せることもない。
「聖教皇様にお目にかかりたいのです。陛下のお力でなんとかなりませんか?」
「わかった。聖教皇に会えるように手配してやろう。他に何かあったかな?」
あえて、カルロスを無視するかのようにウィルヘルムはそう言っている。それに対してカルロスが何か言おうとしているのを強引に引き止めているウィア。
「わかっているんでしょう。強制送還されたいんですか」
「お前のその根性だけは見上げたものだな」
自分の耳元で脅し文句を囁くウィア。その彼の顔を睨みつけているカルロス。しかし、ウィアはそれを気にもしていない。もっとも、それは国王とセシリアについても言えることだった。ボソボソ喋っている主従の姿を気にもせずにウィルヘルムはセシリアに宝物庫の鍵を渡していた。