白と黒の神話
「我々は静かに暮らしたいだけだよ。それも許されないと?」

『じゃが、それでは満足できないものもおったのじゃろう。そやつらがジェリータを動かしたのじゃ』

「たしかにそうだったね。あの子は優しすぎる。だからこそ、なんとかできると思ってしまったんだ」


 シュルツの言葉に信じられないという顔をしているカルロス。そして、シュルツの言葉を肯定するような神竜の声。


『そうじゃの。あれは優しすぎたのじゃろうな』

「どういうわけですか?」


 シュルツと神竜の話に不思議そうな声をあげているウィア。そんな彼をみながら、神竜はゆっくりと口を開いていた。


『あの時、儂は聖教皇とともにジェリータと戦ったのじゃ。能力はやつらの方が上じゃが、人数は儂らの方が遥かに多かったじゃろうかの。聖教皇が声をかけたのじゃ。それも仕方ないじゃろうな』
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