白と黒の神話
「これを着ることになるとは思ってもいなかった……でも、そうしなきゃいけないようだ。もっとも、今のあたしがこれを着るのが相応しいかどうか、わかったものじゃないけどね」
その彼女の手にあるものは、どうみても巫女の装束でしかない。占い師である彼女がどうしてそれを持っているのか。その場に誰かがいればきくことも可能だったろう。しかし、そこにいるのは彼女だけである。そして、グラン・マは同じタンスの中に入っている箱の中からロザリオも取り出していた。
「創世神様、聖教皇様。再び、これを身につける日がくるとは思ってもおりませんでした。しかし、今はその時であると思います。あの時、惨めに生きながらえてしまった私ではあります。しかし、それもあなた様の思し召しでありましょう」
それは、セシリアや町の人々が知っているグラン・マの姿ではない。真摯に祈りを捧げる姿は、神々しささえ感じさせていた。
その彼女の手にあるものは、どうみても巫女の装束でしかない。占い師である彼女がどうしてそれを持っているのか。その場に誰かがいればきくことも可能だったろう。しかし、そこにいるのは彼女だけである。そして、グラン・マは同じタンスの中に入っている箱の中からロザリオも取り出していた。
「創世神様、聖教皇様。再び、これを身につける日がくるとは思ってもおりませんでした。しかし、今はその時であると思います。あの時、惨めに生きながらえてしまった私ではあります。しかし、それもあなた様の思し召しでありましょう」
それは、セシリアや町の人々が知っているグラン・マの姿ではない。真摯に祈りを捧げる姿は、神々しささえ感じさせていた。