白と黒の神話
「リア、ボッとしていたら危ないわよ」

「ウィア、こいつらを操っている奴は?」


 ミスティリーナの注意を促す声とカルロスがウィアに問いかける声。それらが町に渦巻いている阿鼻叫喚と混じりあっている。


「どっちにいけばいいのよ」


 ちゃっかりとウィアの服の中を居場所に決めた神竜にたずねているミスティリーナ。この場合は神竜が一番当てになると判断したのだった。そして、それは間違いではない。


『こちらじゃの。ついてくるがいい』


 そう言うなりウィアに方向を指し示す神竜。それに遅れないようについていくセシリアたち。

 彼女たちが進む道にも暴徒はいるが、それをミスティリーナは手当たり次第に投げ飛ばしている。


「リーナ、魔法を使った方が早くない?」

「ダメ。操られているだけだもん。魔法は楽だけと殺しかねない」
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