白と黒の神話
「お、お前は……」


 セシリアのその声が聞こえたのだろう。相手は彼女たちをみるとニヤリと笑ったようだった。


「ここでお目にかかれて本当によかったですわ」

「お前はたしか……」


 記憶の中にある雰囲気とはまるで違う。それでも、この容姿にあてはまる相手をセシリアは一人しか知らない。


「マレーネ。そうよね、間違いないわね」


 呟くようなセシリアの声を間違いなく聞き取ったのだろう。相手は極上の笑顔を浮かべている。


「わかってくださいましたのね。ええ、わたくしはマレーネですわ」


 その声が聞こえたのだろう。ウィアの服の中にいた神竜が首を出している。神竜はマレーネの姿を認めると、唖然としてしまっていた。
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